2016年6月20日

6/11 横浜Fマリノスvs川崎フロンターレ

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1st第15節

横浜Fマリノス 0-2 川崎フロンターレ
27 エドゥアルド・ネット(川崎)
79 大久保嘉人(川崎)

4万6千人。みんなで仲良く襷ユニを着て応援した神奈川ダービー。首位川崎を迎えてマリノスが披露したのは、上位に食い込めない理由と、弱者のメンタリティー!「新しいお客さん、これが今のマリノスです!」…正直すぎるよ!今日くらい少し背伸びしてもいいじゃん!

川崎の強さは、序盤からはっきりと出てました。基本フォーメーションは4-2-3-1。ボランチの二枚、大島僚太とエドゥアルド・ネットにボールが入った時、前線4人のうち3人くらいが一気に縦方向近づいてきます。

そのとき、割と奪われそうでもクサビを付けてくる。ここで行けそうだったら前向くし、アウトタッチを使ったターンなど、マーカーをかいくぐるためのスキル・意識を前線のメンバーが標準装備してます。

ただ、無理なときは単純にワンタッチで戻す。戻した瞬間に次の動き出し。マリノス守備陣のマークを一瞬外すと、またそこにリスク承知でパスを送る。
また、出し手のほうも場合によってはパスを出した瞬間に動き出し、新しいエリアでリターンを貰う。特にパスの出し手側にスピード・勢いがあるときはこれを多用しました。

これに3人目の動きが絡んでくる。もうなかなか捕まりません。

選手同士の距離感を近く保った上で、ボールに絡む・絡みそうな選手が常に縦方向動きだしを繰り返し、素早くパスを供給する。無理してカウンターはせず、常に試合の主導権を握る。川崎の哲学は浸透しています。

マリノスは守備に重心をおいて、とりあえずスペースに翔さんを走り込ませてみる。何も起こらない。

川崎のビルドは、ネットが半分くらい最終ラインに吸収されて、両SBは大きく前進の3-1-5-1のような形でした。3-1-5-1の5のところで大量のパスの選択肢を作ります。一番前の大久保も組み立てに参加することが多く、引いてきて起点になります。

サイドハーフの小林悠と登里享平は、SBと被らないように中心絞ってきて、中盤で中村憲剛を中心にパスを何本か繋ぐことで、大外高い位置を取っているSBが空きます。また、この時奪われても、選手が密集しているのでゲーゲンプレスを働かせやすい。

序盤完全に川崎が優位に進み、驚くほどスコスコとバイタルエリアにボール通されました。

マリノスは、ロングカウンタを見せます。学が一人で長距離持ち込んで単独でチャンスメーク。遠藤が走り込んでいて、スルーパス狙うがパスは大きくずれました。

遠藤が持ち直して、川崎DFを外そうとドリブルで縦に突っかけます。そして、苦しくなってからの「逃げ」のシュート。

縦方向のスピードが売りなのは分かります。でも、アタックングサード入ってからも同じことの繰り返しではゴールに向かっていけないです。いつも自分でゴールへのアングル潰している。

学がなんで強力かというと、ゴールに向かってカットインしてくるから。右サイド、やりにくいのかもしれないけど、そろそろ勇気出してくれー

新井一耀と遠藤は緊張でガチガチでした。

とにかくマリノスのビルドアップが単調。とにかくリスク回避して逃げまくる。縦パスで勝負できずにとりあえずSBまでいってしまう。そこからはパスの選択肢が減っていくだけ。そのとき、遠藤も学も外に張り出しているとコース潰されてボールが来ません。中に絞ってくるんだけど当然読まれているし、マークも付いてきます。

マリノスが前半最初に、圧倒的にポゼッションされながらも乗り切れたのは、中途半端にパスに食いつきすぎなかったからです。ブロックに隙を作るとやられるのは分かっていた、だから意図的に守備的な入りをしたということでしょう。

右サイドバックのエウシーニョはかなり強烈でした。パス出した後必ず前方向に走り出す。なんてアグレッシブな選手だ!なんか髪型チャラくなってるし。

あと大久保嘉人は、だいぶ降りてきて無茶なクサビをよく受けていました。でも簡単には戻さない。潰されそうになってもなんとか耐えて、倒れそうになってもまだ離さない。倒れる最後の足で近くの味方にかろうじて渡すとか。泥臭い。

でもそれがかなりマリノスの守備陣を引きつけていて、効いていました。Jリーグ不動の得点王がここまで献身的だとは…

翔さん!見習ってー!無理だと思ってもすぐ下げない、粘ってくれ、潰されてもいいから。翔さんがちょっとミスったくらいで一気にピンチ迎えるほど脆弱な守備じゃないから。

学と中町が孤軍奮闘していました。中町は所々で体を思い切り寄せて、待つのではなくて狩りにいく姿勢を見せます。そしてチームを鼓舞します。びびってんじゃねーよ!って。この2人は全く怖じ気づいていないです。

車屋紳太郎のクロスから、新井のヘッドでのクリアは内側、相手の真ん前に落としてしまいます。その後学が体入れて奪い返したものの、そのボールを新井がすぐ近くにいた俊輔に凄まじいほど消極的なパス。これをエドゥアルド・ネットに直接詰められて先制されます。

もう、ただのアシストです。

いい意味で消極的、ブロック保持に忠実で相手のミス待ちの守備をしていたマリノスにとって、前半0-0で折り返すのは至上命題だったはずでした。致命的。新井一耀。若すぎる、未熟すぎる。

中町は不可解な判定でイエローを貰いましたが、マリノス守備陣でもっとも出足鋭く走り回り、川崎を困らせました。何の躊躇も不安もない。これが闘える男です。

攻撃陣は、本当に反省すべきパフォーマンス。後方から思い切った縦パスが供給されないのも問題だけど、もっともっと関与する動き出しを見せなくてはなりません。

遠藤はウォーミングアップしてきたのか疑うレベル。「19歳が、19歳なりのプレーをして、19歳なりに評価されればいい、穴にならなければいい、局面でスピード見せれば十分。」少なくともプレーからはそう見えてしまいました。

俊輔がブレーキになっている場面がしばしばありました。頼みのパス精度も今日は悪い。これはもう当然分かっていることなんだけど、スピード感が必要な時にスピードを殺してしまいます。

でも、川崎戦みたいに有効なポゼッションができないと、縦にはやい攻めしかない、と思うときがあります。この日の10番の動きは、マリノスの停滞した攻撃を象徴していました。

マリノスは学のドリブルしか武器がない状態ですが、そのときの翔さんの動きにも不満が募ります。一緒に中に入っていって学のスペースを消してしまいます。それを除けば、翔さんは頑張っていました。攻撃スピードを上げようとする意志も伝わってきました。

前半終了間際、遠藤の酷いパスミスから中澤と新井が被って、クリアが曖昧になったところで小林悠にシュートを許します。またもや新井がアシストを決めてしまいそうでしたが、哲也のビッグセーブで難を逃れました。

そしてマリノスは、前半シュートを一本も打てませんでした。

後半、遠藤に替えてマルティノスを投入します。

マルティノスは敵のブロック内、厳しい所でも縦パスを呼び込み強引にキープするなど、前半誰もできなかったプレーをやってのけます。独特のリーチの長さを利用して一人で突っかけにいき、ペナ角でFKを獲得するなど、マルティノスのチャレンジは有効でした。

マリノスの遅攻では、翔さんの乏しい動き出しに加え、そもそも前線に駒が足りません。中町も俊輔も安全な所からの球出し、ではだめ。どちらかは受けに回らなきゃ。

新井に替えて、喜田。パクジョンスが左SBへ。

後半、攻撃面ではマルティノスが入ったことに依るポジティブな効果のみだけど、セカンドボールへの出足・プレス強度は明らかに増しました。

また、俊輔が川崎の最終ラインのパスを出したいコースを把握し、巧みにコース限定していたのも重要でした。俊輔に従ってまわりも順次コースを潰していくことで、敵陣で奪いきれるシーンも出てきます。

ショートカウンタから中町が学にスルーパス。裏抜けるもシュートはキーパー正面でした。この試合で一番可能性を感じたいいシーンでした。

中澤も、後半は気持ちを全面に出して、自分のポジションを捨ててまで奪いきろうと前に出てくるシーンが増えていました。こういったのを前半からやるべきだったのでしょうか。結果論。マリノスは単独でもボール奪取能力の高い選手が多い。なんでこれをもっと能動的に・武器として生かさない!

再度になりますが、やはり翔さん動き出し悪いです。全然遅い。みんなが俊輔みたいに待ってくれる訳じゃないの。学がボール持った時は、マリノスの攻撃スイッチの入る時。たとえば、学がドリブルで相手を剥がすのを待ってるのでは遅いです。ダイレクトでパス貰う準備ができている?

マリノスペースの中、川崎はなかなか思い通りにボールを動かせていませんでした。そこで喜田がPKを献上します。こうゆう時間帯にPK与えてもう一度相手に勢いを渡してしまう弱者メンタル、つらい。

大久保に決められて0-2。中町に替えてカイケです。中町は前半に孤軍奮闘。後半は少し息切れ。あと欲しいのは、アタッッキングサード、受け手としての工夫です。

途中出場のカイケはスペースへの抜け出しがいいタイミングです。学とのコンビがだいぶ出来上がってきたことも分かりましたし、もっと見たかったです。

反省ばかり目立つ試合だけど、できるだけポジティブに捉えなきゃ。終盤川崎はロクにパス回せていませんでした。収穫はあります。自信を持たなきゃ、次も受け身に入ってしまいます。

ただこの試合、終わり方もとてもネガティブ。ロスタイム、川崎のロングカウンタから中村憲剛がドリブルで駆け上がり、俊輔が後ろからスライディングでひっかけイエロー。中村対決が憲剛に軍配が上がったことを実感させられました。

そのあとにも川崎の途中出場、三好康児が中澤をスピードでぶっちぎり、中澤がPA内で倒します。普通ならPKものですが、既にPKとられましたし、0-2で負けてるチームのロスタイムですし、審判のサービスですね。

最後にベテラン2人が露呈した守備の焦りが前半の恐怖を思い出させ、悲壮感を際立たせるなか0-2で試合終了。1stステージもクライマックスで、マリノスに浮かび上がった諸問題。セットプレー以外点取れないじゃん、ポゼッションできないなら俊輔ブレーキじゃん、そもそも俊輔のコンディションがなかなか上がらないじゃん、翔さんが頼りないやん。言ってしまえば全てシーズン開始前から予想できたことかもしれませんが、今一度、エリク監督がどうやってこれらに対処していくのかとても注目しています。