2016年6月22日

6/18 横浜Fマリノスvs大宮アルディージャ

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1st第16節

横浜Fマリノス 1-1 大宮アルディージャ
67 家長昭博(大宮)
90 下平匠(横浜)

川崎戦での惨敗から一週間で、1stステージもあと2節。2ndステージに向けて、もう一度チームを見直す時期にきています。エリク監督、どんな変化を起こすのでしょう?

前節の反省から、中町は大宮陣内で動き、味方に顔を出しますが使ってもらえません。ここに縦パスを付けてあげないと絶対にダメです。

いつも通り消極的な入りかと思いきや、前線から連動したチェイス、最後は喜田の鋭い読みからインターセプトなど、守備から良い勢いが生まれてきました。

でも、喜田が奪った後、中町と俊輔が重なる場面があります。2人とも、ポゼッションの中で縦横に深みをつけるというまったく同じ役割を負っているところがあって、どうしても被ってしまう。これは無駄です。もったいない。

マリノスは、前線から降りてきて起点になろうとする大宮の2トップ、江坂任と家長昭博にしっかり付いていってほぼ完全に封じていました。逆に、2人が同時に引いてきたりしてマークがつききれないとうまく起点を作られてしまいます。

中町の展開力が目立ちました。てか、今日の中町は完璧です。

また、マルティノスもうまくクサビに入れるので縦パスを引き出せます。ただ、彼は前向いたときのドリブルは脅威だけど、自分のタイミングでパスを送る傾向があってとてもじゃないけど味方のことを考えられる選手とは言えません。

大宮は、両サイドハーフの横谷繋・沼田圭悟が中に絞る動きをして、2トップと共に真ん中を厚く、空いたスペースにSBを走らせワンツーを多用。敵陣でSBが単純にクロス、中で勝負。マリノスの高いCBを警戒してアーリークロス多めかな。といった感じの攻め。

大丈夫です。これくらいじゃ崩されません。
マリノスのビルドアップでは、中町が最終ライン左サイドにまで来て、喜田はファビオの隣へ。中澤が右サイドに張り出して、(左から)中町・ファビオ・喜田・中澤の最終ラインをつくる場面がありました。

これで両SBをウイングの位置まで押し上げることができます。

ただ、守備にばかり重心を置くマリノス、ビルドの初段階で俊輔・中町・喜田のうち、自陣バイタル以前に少なくとも2人残したがります。特に中町と喜田のリスクマネジメント能力が高いです。

喜田なんて、「奪われるかもセンサー」が微弱な電波を感知すると、一瞬で守備の構えを取ります。これは素晴らしいことで、エリク監督から叩き込まれているのでしょうし、これがあるから重宝されているのです。

でも、喜田と俊輔も被ったりしてます。俊輔下がり過ぎだよ…

俊輔・中町・喜田、3人とも横並びになっている時さえあります。これは最終ラインを2つ作っているようなもので、全く無意味なので、そうなるとあわてて誰かが上がっていきます。

ただ、この中盤3人の停滞から生まれる前線のリソース不足を学とマルティノスが柔軟なポジショニングでカバーしていました。2人で右サイドにいたり、こんどは2人で左サイドにいたり、2人とも絞ってきてみたり。おもしろい!

この2人が同じサイドでプレーすることで、密集からのコンビネーションで局面打開→クロスまではあったのですが、中の枚数が足りなかったように思います。

敬真はサイドに流れてロングボールを収めることで自分の良さを出しますが、それ以外ではあまり目立てず。やはり少し孤立気味でした。

敬真の近くに味方がいるときは、クサビが入ればうまく落とせていました。味方を思う優しい落とし。もっと味方が敬真をサポートしなきゃ。

大宮はロングボールをSB裏に放り込んで起点を作りたいので、2トップを走らせてきますが、前半はマリノスのCBがこれを完全に遮断していました。

CBは勇蔵ではなくファビオが先発ですが、これは明らかに攻撃面、主に縦パス供給能力の差です。中澤・ファビオ、空中戦は負けず、裏への走り出しもオフサイドトラップで難なく対応します。

サイド攻撃からCKをたくさんとって、CKでは混戦から惜しいチャンスも作りますが、決定機とはいきません。

俊輔はたまに見せるサイドチェンジと、セットプレーのキッカーでしか存在感を示せませんでした。トップ下なのに、縦パスの受け手になれないのがとにかく厳しかったこの日。

敬真の相手SBへの追い込みから、マルティノスがボール奪取でショートカウンタ。ドリブルで運んで走り込む敬真へ。敬真は滑らかな切り返しからシュートまで持っていきますがDFがブロック。相手のクリアミスを中町が直接逆サイドPA内で浮いていた学へ。学がドフリーでGKと一対一。DFが詰めてくるまで十分に時間があり、必ず決めなくてはならない決定機でしたがシュートはGK加藤順大に阻まれました。

うわー学、決めたかった。完全にここでした、試合を決めるとすれば。

やはりゴールに一番近づけるのはショートカウンタ。この試合一番の決定機を外して、前半を終えます。

後半になっても、マルティノスと学は同じサイドでプレーしたりして、攻撃を活性化します。マルティノスは基本ボール持ち過ぎだけど、今に始まったことじゃない。

そしてついに学のドリブル炸裂!スピードでバイタルぶったぎり、何人ものDFをかわした後、PA直前で金澤慎に無理やり倒されFKに。

距離が近すぎるけど、俊輔は壁と逆方向の際どいコースに飛ばします。しかし、またもやGK加藤が立ちはばかります。なんと、加藤はボールをキャッチしました!俊輔の渾身のFKを、はじくんじゃなくて、直接キャッチですwwwこの頃には、もう完全に加藤を調子に乗らせてしまっていました。

後半も絶好調の喜田を中心に引き締まった守備で大宮になにもさせません。喜田は前が空いている時には自らドリブルで持ち込むなど、攻撃面でも大きな成長を見せてくれました。

大宮は、自陣で不用意にファールを繰り返し、マリノスにたくさんセットプレーを与えました。右サイドからのFKがファビオの前にこぼれます。枠内に強烈なシュートも、また加藤が好セーブ。

マリノスは富樫に替えて翔さんを入れます。

この直後でした。(マリノスからみて)右サイドにでた金澤にマルティノスと喜田が引っ張られ、パスを受けた家長がバイタルに侵入。逆サイドから絞り気味にバイタル入ってきた横谷にパス出されると、全員がそっちに注意を向けてしまいます。

中町は中澤に家長のマークを受け渡したつもりだったけど、中澤は横谷の方に寄っていってしまい肝心なスペースに家長がフリーで抜け出します。横谷からダイレクトで家長に浮き球のパスが通ると、家長のループシュートで失点を許しました。

祐三がラインを上げるタイミングを忘れていましたが、ちゃんと動けていれば家長はオフサイドに掛かっていたはずです。

後半も完全にマリノスペースだったのに、まさかの先制点を奪われました。

俊輔にかえて兵藤慎剛を投入。俊輔は低調でした。ポジションが低過ぎです。

そして、このへんでマルティノスの集中力が分かりやすく落ちてきます。ほんとうに扱いが難しいやつです。

兵藤がブロック内でクサビをうけ、簡単に叩くことで攻撃にリズムが生まれます。これが兵藤の得意技で、今マリノスで不足している動きです。

兵藤から学、戻して兵藤から翔さんへ。翔さんが、たくさんDFを引き連れてから、右サイドで空いた祐三にサイコーなパス。それを祐三がダイレクトでサイコーなクロス。ファーサイド、フリーで下平がヘッドもシュートは枠外。決定機でした…

マルティノスに替えて遠藤渓太です。エリクは、マルティノスのメンタル面には敏感ですね…さすがですww

ただ、マリノスは先制されて前掛かりになる中で、大宮がずっと狙っていたSB裏を使われることが増えます。

遠藤は何度も仕掛けるもなかなかうまくいきません。突破してもゴール前で余裕がなくなり、実効性に結びつかない。でも、チャレンジはできている。集中力の欠如したマルティノスよりは全然良いです。

兵藤と翔さんはいい働きでした。2人だけでシュートまで持っていったシーンもあります。エリク監督の交代カード・タイミングはとても良かったと思います。

翔さんは、敬真にスタメンを奪われて悔しかったはず。しっかり体はってタメをつくり、上手に味方をつかって起点となります。

兵藤はバイタルから向こう、相手陣内で何度も動き直し、マーク外してボール受けます。持ちすぎずに基本ダイレクトで味方に渡し、自分は再び動き出す。

常に頭を使っていないとできないスタイルだし、至近距離でどうDFの網をかいくぐるかの工夫・アイデアと技術を感じます。

試合終了間際、遠藤のドリブルから得たCK。兵藤の蹴ったボールを中町が競り勝ち、折り返す。そこに待っていたのは下平!うまくボレーで合わせて同点に追いつきます。

ちなみに、解説の秋田さんは、このシーンでCKをヘディングで折り返したのを中澤だとずっと思っていました。しかもそれを褒めまくる。試合後のエリク監督へのインタビューでも、「そのシーンで中澤が良かったですね」と同意を求めていましたwやれやれ。

まぁこう考えましょう、ボンバーと間違えられるほどに中町の空中戦は強いのだ!

ロスタイム、お互いノーガードの攻め合いのなか、遠藤がロングカウンタからドリブル突破でチャンスを作ります。この重要な時間帯に、縦への推進力を見せました。

あと、カットインしてのシュートもありました。これは今までなかなか出来なかったプレーです。遠藤渓太の着実な成長!ユース時代の主戦場が左サイドなので、トップチームでの右サイド起用への順応は難しいと思うけど、カットインシュート、これからもどんどん増やしていってもらわないと困ります。

川崎戦からスタメンを5人替えて挑んだ大宮戦はずっと主導権を握りながらも1-1同点で終わりました。ポジティブな要素の多い、刺激的な試合でした。

・学とマルティノスの流動性による前線のリソース補完。コンビネーション。
・両SBの高い攻撃関与、それを可能にするDFラインの工夫。
・遠藤と喜田の成長。
・両CBから積極的な縦パス。
・中町の展開力、攻守に渡る絶大な貢献。

中町と学は安定していいパフォーマンスを続けているし、間違いなくマリノスの中核であり、これからもそうあることが期待されます。学はこの試合は決定機を外したり、大事な場面でドリブルが失敗したり、責任を感じていると思いますが、チームの中心だからこその重責です。

そして、今の俊輔のコンディションではスタメン起用は出来ないはず。

ラストピースは兵藤か三門です。三門は出場機会が少ないですね。アビスパ福岡への移籍報道!?ダメ!ぜったい。

マリノスのセットプレーへの依存は凄くて、得点の50%以上がセットプレーからです。プレイスキッカーとしてだけでも大きな価値のあるキャプテンをスタメンから外すのは、エリク監督にとって重大な決断です。外して結果が出なかったときの反発だって頭をよぎるはず。

ただ、ここ最近は俊輔の不調が中盤を淀ませ、異常に重心の低いビルドアップの原因となり、ワントップを孤立させています。

あと少しで2ndステージも始まります。エリクマリノス、脱皮のときは訪れるのでしょうか?