2016年7月12日

7/9 横浜Fマリノスvsアビスパ福岡

IMG_6001.jpg

2nd第2節

横浜Fマリノス 3-0 アビスパ福岡
11 齋藤学(横浜)
48 富樫敬真(横浜)
93 伊藤翔(横浜)

激変の2ndステージは、マリノスのアイデンティティを失うまでの戦術の大きな転換から始まっています。1stステージ第2節福岡戦の、ボール支配率マリノス70%福岡30%に対して、この日のボール支配率はマリノス45%福岡55%です。70%も異常だったけど、まさかそのマリノスが50%割るとはね。

徹底したリスク管理と自陣からポゼッション基調で押し上げていくトップ下像(俊輔システム)から、FWを2人に増やして全ての攻撃を単純高速化し最前線から降りてくるゲームメイク(カイケシステム)への移行が進み、最高の結果が伴っています。

ただ単純に俊輔よりもカイケが効果的、という結論では断じてないです。役割は被るけどプレーの特徴は真逆なくらい違うので。個人的には、前線の枚数を増してパスの選択肢が増え、同時に必然的に自分がチャレンジしなくてはいけない状況に置かれたことで喜田のパス供給能力が開花したのが一番の収穫だと思っています。

2試合連続の3-0を振り返ります。

開始直後、福岡のDMFダニルソンからバイタルで城後寿がフリック、DFラインの穴に入り込んだ金森健志がフリーでシュート。これがこの試合通じて福岡の一番の決定機でした。ラッキーだったけど、決められてたらやばかった。

それでなくとも、マリノスは中途半端なプレーが散見される悪い入りをしました。俊輔がいれば、まずこんなふわふわした立ち上がりは許さないと思いますが、俊輔不在です。

最初っからフルスロットル男のマルティノスは、独特のドリブルから独特の失い方を連発!せめて前半序盤だけは奪われ方に気を付けないと…

チームとしても、どうせサイドに逃げるのならもうちょっとリスクを回避できただろうし、やや無難に入ろうとして裏目に出た印象を受けました。

福岡は前線のウェリントンにとりあえず当ててくるけど、これがかなり強靭でした。ファビオをもってしても序盤はイーブン以下のマッチアップを強いられます。

マリノスの2トップのパスコース限定が全く機能しない上に、ダニルソンのキープ力を利用されボールホルダーに圧力が掛かりません。そこからロングボールをひたすら打ち込まれ、処理に追われます。

耐えていると、マリノスもだんだん敬真とカイケに縦パス入るようになります。それをスイッチに前に人数かけて、直接チャンスになるというよりは一度奪われてもそれをまた取り返してショートカウンタ、とかがチャンスに繋がっています。

最近のマリノス、守備から流れを掴めますね。この展開があるから、今のマリノスでは、守りきれている限りは攻め込まれても焦りがありません。

カイケは今日も引き気味でボールを集め、攻撃を牽引しようとします。マルティノスと逆で球離れが良く、シンプルに叩いては食い付いたマーカーを去なすことができます。

カイケの特徴を生かすには、多少カイケの周りに敵がいようともいったん預ける勇気が必要だし、それに応えるプレーはできます。ビルドアップにしてもカウンターにしても、後ろの選手たちはカイケを信頼して、速いボールを付けられるようにしたいです。

既に磨かれつつある高速カウンターも、もっともっとテンポアップできるはずです。

カイケがワンタッチで敬真に落とすと、敬真が潰れ役になって倒れこみながらマルティノスへ。マルティノスのミドルシュートは強烈ながら、GKに阻まれました。いいシーン。

福岡はどこでの接触プレーかはわかりませんが、ダニルソンが怪我で交代してしまいます。マリノスにペースが移りかけていた時間帯、福岡はまさに必要な選手を怪我で失いました。

あと、福岡はスローイン戦術が面白かったです。一つ目は、最終ラインの裏、ゴールライン付近で受けるんかいパターン。もう一つは、ロングスローと見せかけての普通に投げるんかいパターン。前者は一瞬で最終ラインを下げられるので効果的だったけど、後者は謎でした。ロングスローできるんなら、そのままウェリントンにぶつけられた方が断然怖い。

福岡はロングボールでウェリントンと金森が狙いだけど、時間が経つにつれて中澤とファビオが前がかりに潰せるシーンが増えてきます。中澤の最近の試合の安定感は抜群!そしてファビオの高さ!

そして2トップをサポートしながら浮いている城後に何もさせなかった喜田のバランス感覚は際立っています。前節も書いたけど、キー坊すごいよ!
忘れちゃいけないのは、ビルドで誰か(主にマルティノス)がミスった時に巧みにカバーしていたのが職人祐三です。

そして五分五分の前半かと思いきやの先制点!ロングカウンタから学がサイドに流れると、DF2人に囲まれながらも単独突破!カットインから逆サイド鋭すぎるコースへのシュートでめちゃ気持ち良く先制します

今のJリーグに学並みのドリブルができる選手は見当たらないですね。パスの出し手や守備などの総合的な観点からしても、間違いなくJのトップクラスに上り詰めました。

カイケのパスはとことん敵に読まれていたし、球離れが良すぎて消極的に見えてしまう場面もチラホラ。敬真を生かすも殺すもカイケ次第なので、もっと関係性を築いていかないといけないです。マルティノスとカイケはいいコンビになってきました。プレービジョンの共有が感じられます。

祐三は攻撃センスとドリブル突破もある選手だけど、学が右に流れてきた時に発揮されています。マルティノスとのコンビもそろそろ充実させていきたい。

後半は、徐々に働きを上げてきた敬真に追加点が生まれます。絞ってきたマルティノスへのクサビから、中町がDF間から裏へ抜けようとする敬真にスルーパス。パスは丁寧でしたが勢いが弱め。敬真はうまくDFに体を当てて、潰れながらもゴールに流し込む!

泥臭いシュートで2-0と突き放します。本当に、今日の敬真はドロドロ!でもドロドロのストライカー、重宝されます。

福岡に前半1分以来の決定機。左サイドから城後のクロスに、ウェリントンがマークに付いていた中澤の頭上からヘッド。哲也のビッグセーブで助かります!

福岡は4バックにしてサイドに人数かけ、少ないタッチ数でボールを回します。ここから再び試合は福岡ペースになり、三門も躍動してきます。左サイドの亀川諒史は精度の高いクロスボールを持ってますが、祐三が寄せきってしっかり仕事を抑えました。

マリノスは敬真に代えて俊輔。基本色んなところに動き回るのでしょうが、セカンドトップっぽい位置取りをします。

学の左サイドドリブル突破からバイタルエリアの俊輔へ。俊輔がダイレクトでDFの頭上を抜く浮き球のパス、マルティノスが抜け出してそのまま浮き球で折り返すも、味方に合いません。ただ、PA内には学を追い越してきた金井と、俊輔とカイケが待っていました。

STを俊輔にするならこうやってゴールに直結しそうなプレーをしてもらいたいけど、そのためにはより少ない人数でアタッキングサードまでボール運んでこなきゃいけないし、俊輔は相手ブロック内で受け手になるのは得意じゃない。このシーンのように、相手が前掛かりになった時にどうにかいい場所でで俊輔に預けられれば理想。ご存知の通り、そこからのアイデア・創造性は桁違いです。

ロングカウンタでマルティノスがスピードあるドリブルで持ち込むと、学が左から、俊輔は右から走り込みます。俊輔も懸命に走っていたけど、マルティノスは学へのパスを選択、それもボールが少し前にずれてしまいました。ここで俊輔を使えるようになると更なる化学反応が生まれるでしょうか。

俊輔は福岡ペースだった流れを変えました。他の人より少し余分にボール保持できるキープ力と、そこから工夫に富んだパスを出せるから、周りに余裕が生まれます。でも、やっぱりカイケと役割が被ってしまいます。

カイケは翔さんと交代です。俊輔との共存は難しいかな…

そしてマルティノスは兵藤と交代。今日はマルティノスを後半最後の方まで引っ張りましたね。異常な数のスプリントを見せました。守備面では彼にしかできないタックルを見せる一方、攻撃ではミスや連携不足が目立ちました。

ただ、マルティノスの速さがもはやマリノスには不可欠なので、これからマルティノスがどれだけ細かいところ質を上げられるかに2ndステージは大きく左右されそうです。

IMG_6074.jpg

スカパーの走行分析です。1人だけやべー人いるよ…

負けている場面での俊輔の途中出場は、福岡からしたら相当に嫌だったと思います。前掛かりになることによって空けてしまったスペースを的確に刺され、局面局面でゲームコントロールされていたからです。

ロスタイム、ショートコーナ。学と俊輔のパス交換で学がPA角まで侵入すると翔さんへ。翔さんは斜め後ろからくるボールを、体をひねりつつダイレクトで逆サイドゴールネットへ送り込むという、地味にエグいシュートで3-0。

ボール支配率45%でも、守備から攻撃へと、カウンターからチャンスを量産し高い決定力で快勝でした。もう明日には第3節神戸戦。いい勢いを持続させて欲しいなぁ