2016年9月28日

『なぜボランチはムダなパスを出すのか?』

『なぜボランチはムダなパスを出すのか?』(著:北健一郎)を読んだ。

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遠藤がザックジャパンで重宝されていた頃に出版された、おそらく。

ボランチ(の、ビルドアップ)の働きにテーマを絞った本で、主に「遠藤保仁のしてる、ゆるいパスとかバックパスとかってムダじゃない?」という声への答えのような話だった。

確かにサッカー好きはヤットが好き、みたいなイメージがある。俺はもちろん中町の方が好きだけど。

ヤットは鋭い戦術眼で、試合状況と照らし合わせて、先の展開を予測した組み立てが出来る。

この本は大きく5章に分かれている。

第1章 ボランチのプレーを読み解く「10」の新常識

サッカーを普段から観戦してる身からすれば、新常識!とまでは言えないような話ももちろん含まれている。知っているようなことでも、わかりやすく言語化されているので、改めて整理された気がする。

第2章 ストライカー目線のボランチ論

ここでいうストライカーとは播戸さんのことだ。遠藤とプレーした経験をもとに、遠藤のどこがすごいか、他の選手と違うかを包み隠さず話している。

第3章 サイドバック目線のボランチ論

ここでいうサイドバックとは駒野さんのことだ。遠藤とプレーした経験(ry

第4章 現代サッカーを動かすボランチたち

具体的に選手を挙げて、世界のこのプレイヤーのここに注目!という話題だけど、この章からは正直得るものは少なかった。情報が断片的だし、すべてのボランチに求められることというよりは、トッププレーヤーの特殊能力のようなものにスポットが当てられていたからだ。

第5章 最終チェック・サッカーの”3手先”が見えるようになる

ここまでに述べられていたことの復習のような感じ。ここのチェック項目を見ればボランチのビルドアップにどのような考えが必要なのかが簡潔にわかった。

特に感銘を受けたのは、「後ろのクサビ」についての話。

「このような状況では遠藤はバックパスを使う。後ろの選手にボールを下げて、自分たちの攻撃が1回終わったと思わせて、相手にDFラインを押し上げる時間を与える。そして、相手がDFラインを上げている間に、後ろの選手からリターンパスをもらって、前に出てきた相手の裏を突くのだ(本文より)」

マリノスの試合に見られる、遅攻からのセカンドボール回収→波状攻撃は、遅攻が一度跳ね返された時点で相手がラインを引き上げるから有効な攻撃になっている。

新潟戦の栗原→中町のゴールが象徴的。

その状態をボランチのバックパスで作ってしまおうというのが「後ろのクサビ」だろう。今まであんま考えたことのない概念だったけど、これからはよく注意していてみたいと思った。

言葉としてもかっこいい、「後ろのクサビ」。

中町は出てこないけど「なぜ中町がスプリントしないのか?」の答えもこの本には書かれている。

でも注意:「なぜパクジョンスはピンチでもゆっくり自陣に戻るのか?」の答えは書いてない。

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